イソップ物語に『ロバ売り親子』の話があります。
父親と息子がロバを市場へ売りに行く道中、様々な人の意見を聞き入れ、ロバに乗ったり引かせたりと、ロバの扱いや立ち振る舞いをコロコロ変えるが、結局どの意見も受け入れられず、最終的にロバは橋から川に落ちて死んでしまう。
お釈迦さまは、最後の教えを説かれるの中で「自灯明、法灯明」という言葉を残されました。
「自らの意志を灯火という道しるべとし、同時に仏法と真理を灯火という道しるべにしなさい」という意味です。自灯明とは、まさに「自分軸」であり、自分らしく自分の在り方に従って生きるということです。
周囲の意見に流されず、自分で考えることの大切さの教訓として使われることが多いですが、SNSが発達した今の時代では、難しくなっています。
良くも悪くも多様化し続ける世界で「周囲の意見に流されず、自分で考えること」は大切。批判する人間は、どこにでもいます。だからこそ、他の価値観を寛容し合えるような仲間の存在や環境に身を置くことが重要なのだと思います。
真言宗泉涌派 法樂寺
小松光昭