融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)は、大阪市平野区の大念佛寺を総本山とする日本の仏教における宗派の一つであります。平安時代末期の永久5年に比叡山より大原に隠棲した良忍が来迎院にて修行中、阿弥陀如来から偈文「一人一切人 一切人一人 一行一切行 一切行一行 十界一念 融通念仏 億百万編 功徳円満」を授かり開宗。自らが唱えるお念仏の功徳があらゆる方々に通じ、あらゆる方々が唱えるお念仏の功徳が自身に作用する、お念仏の行いがそのままほかのすべての行いとなっていくと説かれ、通称、大念仏(だいねんぶつ)といわれ親しまれてきました。
令和7年3月4日に世界最大の木造建築は大阪・関西万博のシンボルであった大屋根リングとなりましたが、大屋根リングを除けば、大念佛寺本堂は大阪府下最大級の木造建築とされ、将来の重要文化財に臨むとされる大阪市指定文化財に指定されています。先の本堂が明治31年に焼失し、現本堂は昭和13年に再建されたもので、そのお堂も80数年の年を重ね風雨災害により老朽が進み、この度、令和13年元祖良忍上人九百年御遠忌法要記念事業として「令和の本堂大改修」が行われております。今秋、工事も終わりに近づき令和8年5月1日に無事落慶法要が執り行われる運びとなっています。工事期間には屋根瓦である銅板瓦には多くの寄進があり、そのお力添えにより工事も順調に進んだと聞いており、多大なご懇志による大きなご協力にただただ感謝いたすところであります。
宗祖良忍は魚山流声明の中興の祖とされ融通念仏宗に於きましても声明(しょうみょう:節つきのお経)が脈々と受け継がれております。
念仏に鉦を用いて唱える融通如法念仏は対の鉦を叩き甲乙音程の異なる鉦を鳴らし、その異なる音を一つに溶け合わせた音と共にお念仏を唱えます。異なる音の鉦を同時に叩き一つの音色とする。その一つとなる異なる音それぞれが融け合い美しい音となることを融通念仏の思想を表現したものとされます。
来年5月にはお披露目されるお堂にもどうぞ足をお運びいただき、お念仏、声明、融通の鉦の音色を聞きながら憎しみ、罵り、貪る心ではなく、譲り合い、助け合い、協力し合う幸せなこころを感じ取っていただき、幸せな人生をおくる支えにしていただければ幸いです。
貴家ますますのご発展とご多幸をお祈りいたしております。
合掌
融通念仏宗 蓮花寺
森 全啓